栄養士会ご案内
〜会長ご挨拶〜

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ご挨拶

公社)福岡県栄養士会 会長 渡邉啓子

会長就任のご挨拶

このたび6月1日の総会において皆様の承認を得て、福岡県栄養士会会長に就任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。

私は中村学園短期大学を卒業後、福岡市南区にある330床の病院に入職し、医療の現場で変わりゆく管理栄養士の業務に従事しつつ、40年間勤務いたしました。
その後、管理栄養士養成校の教員となり現在に至っています。
また、2002年福岡市のアクロスにて開催された食事療法学会の実行委員担ったことを機に、日本栄養士会の役員としても現在に至るまで活動を行ってきました。
管理栄養士・栄養士の業務の変遷は、国の栄養政策とともに大きく変化しています。
戦後混乱期の「栄養改善」、経済成長期の「食生活改善」、バブル期の「健康増進」「生活習慣病予防」、超高齢社会の「生活習慣病重症化予防」、そして現在の「高齢者の低栄養・フレイル対策」となっています。

さらに、今年度の診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス報酬のトリプル改定では、あらゆるライフステージにおいて栄養管理の視点が多く盛り込まれました。
このことは、管理栄養士・栄養士に対する社会の期待がこれまで以上に高まっていることをうかがわせるものでした。
そして、大きな区切りとなる山場と言われていた今回のトリプル改定を実体化していくことが管理栄養士・栄養士の社会性を実現することは言うまでもありません。

トリプル改定後の社会は、高齢者人口がピークを迎える中で、医療・介護の複合的ニーズを有する高齢者数が高止まりする一方、生産年齢人口の急減に直面するという局面において実現が期待される医療・介護提供体制の姿として現時点で想起し得るものを、患者・利用者など国民の目線で描いた、「ポスト 2025 年の医療・介護提供体制の姿」として明記されています。
以下の3つの柱を同時に実現することを通じて、患者・利用者など国民が必要な情報に基づいて適切な選択を行い、安心感が確保されるものでなければならないとの視点が示されています。

① 医療・介護を提供する主体の連携により、必要なときに「治し、支える」 医療や個別ニーズに寄り添った柔軟かつ多様な介護が地域で完結して受けられること
② 地域に健康・医療・介護等に関して必要なときに相談できる専門職やその 連携が確保され、さらにそれを自ら選ぶことができること
③ 健康・医療・介護情報に関する安全・安心の情報基盤が整備されることに より、自らの情報を基に、適切な医療・介護を効果的・効率的に受けること ができること

この3つの視点は、昨年の話題である医療機能情報提供制度に係る報告事項の見直しにもあらわれています。
内容は、医療施設における人員配置について報告することとされる医療従事者の職種に管理栄養士・栄養士が追加されたことです。
2023年4月28日(金)に告示 改正は2023年5月1日(月)より適用となっています。
医療機能情報提供制度では、病院等の管理者は医療法に基づき、患者が病院等の選択を適切に行うために必要な情報として、厚生労働省令で定める事項を都道府県知事に報告しなければならないこととなっています。
今回、厚生労働省において本制度の報告事項の見直しがなされ、「人員配置について報告することとされる、医療従事者の職種として厚生労働大臣が定めるもの」に、管理栄養士・栄養士が追加されることとなりました。
これにより、今後は病院等に勤務する管理栄養士・栄養士の人員配置が都道府県知事へ報告されるため、医療従事者としての管理栄養士・栄養士の就業実態がより正確に把握されることとなります。
また、国民に対して病院等における管理栄養士・栄養士の人員配置について広く情報提供がなされることが期待されています。
つまり、患者や利用者、国民の目線で自ら選ぶことができる医療職種の一員として認められたということになります。

今後、私たちが行うべきは国民が自己実現をするための個人への栄養介入とその効果を示すことです。
あらゆる職域の管理栄養士・栄養士がその実体化を可能にする、人材育成の充実や管理栄養士・栄養士の社会性の認知度をより推進していくために尽力したいと考えています。
皆様のお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。