栄養士のご紹介

選手の「強さ」「安心」を引き出す力になるために

選手の「強さ」「安心」を引き出す力になるために

所属:

公益財団法人日本スポーツ協会・日本栄養士会公認スポーツ栄養士 西村 貴子さん

スポーツを「支える」人に

  幼い頃からテレビではスポーツ番組が流れていることが当たり前の家庭で育ちました。衛星放送が家庭に普及する前である1988年にはソウルオリンピックを観るためだけに家に衛星放送アンテナが設置され、テニスのグランドスラム、ボクシングのタイトルマッチ、フルマラソン、世界水泳、箱根駅伝・・・。いつしかスポーツを「やる」「みる」側ではなく「支える側」として関われないかと考えるようになりました。

 しかし、私が学生の頃は栄養士としてスポーツに関わる職に就くことは難しい時代でした。いつかは・・・という思いを胸に、まずは栄養士という仕事をやってみようと胃腸科専門病院に就職しました。

 

 「食によってからだは変わる」臨床経験が、今の私の基盤

  病院勤務時代は、炎症性腸疾患(IBD)の方々と多くの時間を過ごしました。IBDは自宅での栄養管理が必須となる疾患のため、入院時だけでなく外来フォロー時も症状と生活スタイルを考慮した栄養補給、食事内容、形態の改善の提案をし、QOLの充実を図るような総合的な栄養管理が求められました。患者さんの中には、10代から20代のスポーツ競技者もおり、多職種と連携し、日々試行錯誤を重ねた栄養計画によって「いい状態」に回復していく様子に立ち会えることは、栄養士としての何よりやりがいでした。

 そしてちょうど10年ほど経った頃、転機を迎えました。スポーツに関わる仕事をやってみないかと声がかかり・・・、さらに、日本スポーツ協会と日本栄養士会が共同で認定するコメディカル・コンディショニング資格として「公認スポーツ栄養士」の養成が開始されたとの報を受け、意を決してスポーツ栄養の世界に飛び込みました。

 

一生涯勉強

  現在、ジュニア期のアスリート、プロ選手、体力向上を目的とした方々に加え、臨床の経験を買われ、パラアスリートなどの障がい者スポーツ競技者の栄養サポートに携わっています。

 2020年オリパラが決まり、ますます栄養は、スポーツ医・科学の中で重要な位置を占めてきました。スポーツ栄養は、応用栄養学分野であり、基礎栄養学、臨床栄養学、ライフステージに合わせた栄養教育、給食管理など多様な知識が必要です。加えて、日々進歩するスポーツ医・科学の情報を得、それを選手へ還元する力が必要だと痛感しています。そのため昨年までは、社会人大学院生としてさまざまな研究に関わる機会を得、貴重な時間を過ごしました。選手の「いい状態」を引き出すため、これからも日々勉強です。