栄養士のご紹介

〝摂食嚥下〟スペシャリストへの第一歩 杉山 佳子さん

〝摂食嚥下〟スペシャリストへの第一歩 杉山 佳子さん

所属:

勤務先 医療法人順和 長尾病院 栄養管理科

 自分の中で好きな分野が“摂食嚥下”になった

 福岡県栄養士会の理事をしていた時に、大先輩の方から「これからは自分の得意な分野を一つ持っておくといいよ。」と言われたことがありました。その頃は褥瘡・糖尿病・NSTと自分に関係あるものは全て勉強しなければと思い、焦っている時期でしたが、しばらくして行き着いたのが摂食嚥下の分野でした。当院が摂食嚥下リハビリテーションに力を入れている病院であり、医師を中心に言語聴覚士(以下ST)と管理栄養士が常に摂食嚥下障害の患者さんに多く関わることができる環境であったからだと思います。

 今では管理栄養士のミールラウンドで、病棟に行くたびにSTや看護師から患者の摂食に関する相談を受けます。嚥下障害のレベルを考えながら食事によってできる工夫や介助者に注意してほしいことなどを話合い、安全で、かつ少しでも楽しめる食事の提供を考えています。

 

 日頃から学ぶ

 もちろんこのようなことは、私が大学在学中は習ったこともなく、医師やSTにいろいろと教わったり相談したりしながら、ベストな摂食条件を探していく中で、なんとなく経験で得た知識でした。

 当院では嚥下造影検査(以下VF)を週に1回、2~3例行っています。私たちの本来の仕事は検査食の準備だけなのですが、こんな勉強のチャンスがあるのに活かさないなんてもったいないと思い、自分の担当する病棟のVFは時間を作って、できるだけ見学することにしました。VFを見て患者の問題点が分かるようになると今後の計画が立てやすくなり、とても楽しくなったのを覚えています。

 

 頭の整理=認定資格

 そんな中、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の認定士の試験を受けてみようかと考え始めました。不安もありましたが、「よし1年後に受験しよう!」と心に決めて、試験勉強を開始しました。その甲斐あって、昨年は日本摂食嚥下リハビリテーション学会の認定試験に無事合格することができました。今後は、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士を目指して、引き続き頑張っていきたいと思います。

 今回の試験勉強は、臨床で学んできた知識が机上で学術的に結びついていく勉強でしたので、これまでと違って勉強が楽しいと感じることができました。社会人になり資格を取ることは簡単なことではないかもしれません。しかし、日頃実践していることを「なんとなく経験した知識」ではなく、「理論に基づいた知識」として整理するつもりで勉強すると、資格試験のための勉強も苦にならなくなるかもしれません。自分の興味のある分野を見つけて勉強してみてはいかがでしょうか?